自分に素直と他人に素直

だんだんと自分への素直さも他人への素直さも改善されつつある。
しかし、この2つはどのように両立しうるのだろう?

1つのイメージはこうだ。
他人の言動を見てねじ曲げずに受け止める。自分の心もありのままに受け止める。
それらから生まれてきた感覚を素直に表現する。
そういうことなんだろうか?
自分のインとアウトを透明でストレートにする感じ。

そう考えると矛盾はしない。


けれども、思いやりを加えるとおかしなことにならないだろうか?
自分の気持ちをそのまま素直に伝えると相手を傷つける場合。
相手の利益を考えて行動することが自分の素直な気持ちではない場合。
矛盾が起きる。


これを解決するには?

1つのアイデアは、自然に相手の幸せと自分の幸せが一致すること。共感と呼ぼう。
これが可能なら矛盾は解決する。


よって、思いやりは深い共感を前提にしている、と解釈することもできる。


さらに、共感よりも先に理解がある。
何故なら、ありがた迷惑ということもあるから。いくら優しくても相手を理解していないと勘違いの共感になる。

そして、理解の前には素直さが要る。
何故なら、建前の気持ちどうしをすり合わせても本音の理解には至らないから。

以上から、思いやりには相応の素直さが仮定されている、とも解釈できる。


こういうことを考えると、まず素直さがあって、理解がきて、それから共感がきてから、初めて思いやりに意味があることになる。
そういう段階を踏まずにいきなり思いやらなきゃという考えがあるから妙なことになるのかもしれない。
自分に素直と他人に素直は矛盾しているのでは?という誤解はそういうところにあると思う。