対立と矛盾

言葉のない世界 対立も矛盾もない
言葉のある世界 言葉を介して対象の比較ができる 比較して否定的感情が結びつけられると対立になる
言葉と論理のある世界 矛盾がありうる 矛盾とは論理上共存できない一群の命題が存在すること

言葉と論理 言葉は対象を表す 論理は言葉の関係を表す 論理体系は言語体系を前提とする
(ただし、言語体系から独立した論理体系もあり、論理学的にはそれが望ましいとされる)

対立とは言葉の感情上の対立に過ぎず、言葉が表す対象自体の対立を意味しない。
矛盾とは命題の論理上の矛盾に過ぎず、命題が表す対象自体の矛盾を意味しない。
その傍証として、言語体系が変わると対立の発生箇所が変わり、論理体系が変わると矛盾の発生箇所が変わる。

対立は必ずしも矛盾ではなく、矛盾は必ずしも対立ではない。

対立の有害性 対立は一面的思考と否定的感情を誘発し続ける 基本的に有害
理想と現実の対立は有益? 未来への動力源となりうるが、現状や事実や自己を否定してしまうデメリットもある

対立の解消 言葉をなくす 言葉をかえる 否定的感情を中和する
社会一般に対立とみられているものを自分の中で対立解消して非対立として見ることで新たな側面が見えてくる

矛盾の有害性 何が正しいか分からなくなる

矛盾の解消 一部の命題を棄却する 論理体系を変える 言葉を変える 理解を緻密にする 相手の論理に合わせる
矛盾とみられたものに対して修正を行う代わりに、無矛盾な解釈を考えることで理解が深まるかもしれない

言語体系、論理体系は世界を見るフィルター
フィルターがきついほど、細部を扱えるかわりに衝突(対立、矛盾)が増える
フィルターがゆるいほど、細部は扱えないかわりに衝突と見られていたものに対して一歩退いた見方ができる
きつい見方とゆるい見方を行き来しながら細部の理解とコントロールをおこなうのが最善と思われる